平成22年10月21日木曜日

投信販売、手数料目当てに強引勧誘 相談の多くは高齢者(1/2ページ)


 預金の利息がほとんどつかない「超低金利」が続き、預金に代わって人気を集める投資信託(投信)。貸し出しが減っている銀行も、株売買の仲介手数料が落ち込む証券会社も、販売に力を入れる。しかし営業現場では、手数料目当てとみられる強引な勧誘が急増している。



 「銀行だからと信頼していたが、ここまでいい加減とは」。神奈川県藤沢市で認知症の母親(82)と同居する次女(51)は今年4月、東京都内に本店がある大手銀行に対し損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。銀行が母親に十分な説明をせずに投信約1千万円分を販売し、その約4割が損失になった、などと訴えている。



 訴状などによると、銀行は2004年以降、母親に投信の買い替えや買い増しを12回繰り返させた。次女は昨年5月に初めて知ったが、銀行側の契約書類には「次女が契約時に母親と同席し、説明を受けた」という身に覚えのない内容が記されていた。次女に無断で契約された次女名義の投信500万円分もあったという。



 次女は「書類の偽造までしている。高齢者を狙った販売方法で、だまされたという思いだ」と話す。一方、銀行側は朝日新聞の取材に対し「個別のことには回答出来ない」と答えた。



 今年8月末には、池田泉州銀行(大阪市)が81歳の女性に元本割れの危険があることを説明せずに投信を販売したとして、損失のうち225万円を支払うよう銀行側に命じる判決を大阪地裁が出した。このケースでも、銀行は500万円分の投信を1年間に3回買い増しさせていた。



 国民生活センターには、投信の強引な販売に対する苦情が多く寄せられている。一人暮らしの老人がターゲットにされたケースについての相談が目立つという。



 「自宅に銀行の営業担当者がやってきて、車で支店まで連れて行かれて、500万円分の契約を結ばされた」(80代女性)



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