土地の人たちによって伝承され、現在も全国100カ所近くで行われている「民俗流鏑馬(やぶさめ)」。それらを実施している市町村の保存会などが、伝承の現状やそれにかかわる悩みなどを話し合う「やぶさめサミット in 毛呂山(もろやま)2010」が31日、埼玉県毛呂山町で始まる。
同町と同町教育委員会などの主催。同町の出雲伊波比(いわい)神社では、年2回流鏑馬が奉納されており、同町歴史民俗資料館が4年前に流鏑馬の特別展を実施した縁もあって、開催を呼びかけた。
町の担当者によれば、流鏑馬を伝承している神社を持つ自治体では、「馬や乗り手が確保できない」などの共通の悩みがあるという。
「神社や自治体が馬を飼育しているケースもあるのですが、費用がかかることもあって、最近では乗馬クラブから借り出す所が増えているようです」
さらには馬の走る速度が速すぎて的に一つも当てられなかったり、訓練していると動物虐待だと言って非難されたり……。今回は、そんな悩みを抱える9の自治体の流鏑馬保存会のメンバーが集まり、事例発表や座談会を行う。
サミットは11月3日まで。シンポジウムは31日のみだが、期間中、流鏑馬の衣装展示や見学会なども行われる。
問い合わせは毛呂山町歴史民俗資料館(049・295・8282)。(宮代栄一)
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